ベースとキックが被ってしまう・・・
ボーカルに深いリバーブを使うと濁ってしまう・・・
そんな悩みを解決する記事になっています。
概要
コンプレッサーの使い方のひとつである
サイドチェインでのダッキングテクニックを紹介します。
ベースダッキング
キック(バスドラム)とベースは同じ低域を担っているため、
同時に鳴ると、どちらが鳴っているのか不明瞭になります。
この状態は、コンプレッサーを使った
ダッキングというテクニックで回避することが可能です。
キックとベースを比べた場合、
強拍でリズムの要となるキックが重要になります。
よって、音が重なった場合には
ベースをダッキングしキックを前に出します。
では実際の手順を紹介します。
コンプレッサー挿入
ベーストラックにコンプレッサーを挿入します。
![ベーストラックにお持ちのコンプレッサープラグインを挿入します](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/01_comp.jpg)
コンプレッサーのトリガをサイドチェインとし、
キックトラックからセンドします。
今回はプリセンド設定します。
![キックトラックからコンプレッサーにセンドする](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/02_side.jpg)
![センド設定をプリセンドに切り替える](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/03_post.jpg)
プリセンドの場合、
トラックフェーダーの影響を受けません。
キックのフェーダーを下げて音が鳴っていなくても
ベースがダッキングされます。
ポストセンドはトラックフェーダーの影響を受けます。
キックのフェーダー設定に応じて
ベースダッキング量が変化します。
コンプレッサー設定
次にコンプレッサーの圧縮量を設定します。
EDMの場合はがっつり圧縮します。
こうすると、ベースにうねりが発生し
EDMらしい雰囲気になります。
今回はゲインリダクション(圧縮量)を24dbに設定しました。
![コンプレッサーのゲインリダクションを24db程度に設定](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/04_set.jpg)
サンプル確認
以上の設定で
ダッキング無しの場合は次のような音になります。
ダッキングすると次のような音になります。
如何でしょうか。
ダッキングによりキックのアタック音が
際立って聞こえるかと思います。
ここまでコンプレッサーを使ったダッキングを紹介しましたが、
簡単な設定でダッキング可能なプラグインも存在します。
EDMではNICKY ROMEROのKICKSTARTが有名で、
私も愛用しています。
このプラグインはサイドチェインといった
めんどくさい設定は不要で、
ダッキングパターンを波形で見ながら選択可能です。
価格が安いのもポイントです。
リバーブダッキング
ホールリバーブ等の深いリバーブをかけると、
原音にリバーブ音が重なる為
原音が濁ってしまいます。
この濁りをコンプレッサーを使ったダッキングにより回避します。
コンプレッサー挿入
ロングリバーブバスにコンプレッサーを挿入します。
コンプレッサーのトリガをサイドチェインとし、
ボーカルトラックからセンドします。
今回はポストセンド設定します。
![ボーカルトラックからリバーブトラックへプリセンドする](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/05_post.jpg)
ボーカルは曲中で音量を変化させることが多い為、
リバーブダッキング量が追従する
ポストセンドがおすすめです。
コンプレッサー設定
次にコンプレッサーの圧縮量を設定します。
やりすぎると、歌っている時にリバーブ音が消えて違和感が出るので
今回は7bd程度圧縮してみます。
サンプル確認
ダッキング無しの場合は次のような音になります。
ダッキングすると次のような音になります。
ダッキングすると、歌っている間はドライに近く
歌詞もはっきり聞こます。
また、歌い終わりでは深いリバーブ音が聞こえてきますね。
リバーブダッキングは
上記2つを共存させることが可能になります。
他ボーカルの処理については
ボーカルミックス手順についてが参考になります。
![](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/アイキャッチ-1-300x158.jpg)
今回のボーカルはAIきりたんを採用しています。
AIきりたんを使ってみたい方は
AIきりたんの使い方が参考になります。
![](https://itdtm.com/wp-content/uploads/2020/06/アイキャッチ-300x158.png)
最後に
今回はコンプレッサーを使った
サイドチェインダッキングを紹介しました。
比較的効果が解り易く、楽曲のクオリティアップが可能なので
おすすめです。
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