ベースとキックが被ってしまう・・・
ボーカルに深いリバーブを使うと濁ってしまう・・・
そんな悩みを解決する記事になっています。
概要
コンプレッサーの使い方のひとつである
サイドチェインでのダッキングテクニックを紹介します。
ベースダッキング
キック(バスドラム)とベースは同じ低域を担っているため、
同時に鳴ると、どちらが鳴っているのか不明瞭になります。
この状態は、コンプレッサーを使った
ダッキングというテクニックで回避することが可能です。
キックとベースを比べた場合、
強拍でリズムの要となるキックが重要になります。
よって、音が重なった場合には
ベースをダッキングしキックを前に出します。
では実際の手順を紹介します。
コンプレッサー挿入
ベーストラックにコンプレッサーを挿入します。

コンプレッサーのトリガをサイドチェインとし、
キックトラックからセンドします。
今回はプリセンド設定します。


プリセンドの場合、
トラックフェーダーの影響を受けません。
キックのフェーダーを下げて音が鳴っていなくても
ベースがダッキングされます。
ポストセンドはトラックフェーダーの影響を受けます。
キックのフェーダー設定に応じて
ベースダッキング量が変化します。
コンプレッサー設定
次にコンプレッサーの圧縮量を設定します。
EDMの場合はがっつり圧縮します。
こうすると、ベースにうねりが発生し
EDMらしい雰囲気になります。
今回はゲインリダクション(圧縮量)を24dbに設定しました。

サンプル確認
以上の設定で
ダッキング無しの場合は次のような音になります。
ダッキングすると次のような音になります。
如何でしょうか。
ダッキングによりキックのアタック音が
際立って聞こえるかと思います。
ここまでコンプレッサーを使ったダッキングを紹介しましたが、
簡単な設定でダッキング可能なプラグインも存在します。
EDMではNICKY ROMEROのKICKSTARTが有名で、
私も愛用しています。
このプラグインはサイドチェインといった
めんどくさい設定は不要で、
ダッキングパターンを波形で見ながら選択可能です。
価格が安いのもポイントです。
リバーブダッキング
ホールリバーブ等の深いリバーブをかけると、
原音にリバーブ音が重なる為
原音が濁ってしまいます。
この濁りをコンプレッサーを使ったダッキングにより回避します。
コンプレッサー挿入
ロングリバーブバスにコンプレッサーを挿入します。
コンプレッサーのトリガをサイドチェインとし、
ボーカルトラックからセンドします。
今回はポストセンド設定します。

ボーカルは曲中で音量を変化させることが多い為、
リバーブダッキング量が追従する
ポストセンドがおすすめです。
コンプレッサー設定
次にコンプレッサーの圧縮量を設定します。
やりすぎると、歌っている時にリバーブ音が消えて違和感が出るので
今回は7bd程度圧縮してみます。
サンプル確認
ダッキング無しの場合は次のような音になります。
ダッキングすると次のような音になります。
ダッキングすると、歌っている間はドライに近く
歌詞もはっきり聞こます。
また、歌い終わりでは深いリバーブ音が聞こえてきますね。
リバーブダッキングは
上記2つを共存させることが可能になります。
他ボーカルの処理については
ボーカルミックス手順についてが参考になります。

今回のボーカルはAIきりたんを採用しています。
AIきりたんを使ってみたい方は
AIきりたんの使い方が参考になります。

最後に
今回はコンプレッサーを使った
サイドチェインダッキングを紹介しました。
比較的効果が解り易く、楽曲のクオリティアップが可能なので
おすすめです。
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